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青釭の剣と倚天の剣、三国志の名剣ストーリー

投稿日:2017年3月11日 更新日:




趙雲の幸運。
あの長坂の戦い、大混乱の最中に劉備夫人を見つけて、阿斗劉禅を救うことができた。

趙雲にも言い分がある。
俺は、最強の武将・呂布と戦うことができない時代に大人になった。
不運極まりなし。
関羽雲長が、張飛翼徳が羨ましい。

だからこそ、伝説は自分で創る。

麹義だ、裴元紹だ、高覧だ。
雑多な将と一騎打ちで勝っても、呂布と互角に戦ったこと以上の評価はされない。

俺の名をあげる踏み台は、青釭の剣だったな。
倚天の剣を持つ英雄・曹操と、その双剣である青釭の剣を手にした趙雲。
武人としての名誉は曹操から得られないとしても、将軍としては最高峰の曹操と、双剣を二分する運を俺は得た。

長坂の戦いの際、戦場で部下が拾ってきた宝剣に目を止めて、高値で買った。
既に阿斗を救う大功を上げていたが、
加えてそんな青釭の剣を俺が戦場で敵から奪ったという派手な功績を2つも宣伝すれば有名になれると思って。

阿斗と青釭の剣。
死地は好機に。

 

青釭の剣と趙雲

 

曹操の怒りが怖い。
自分たちの首が飛びそうな恐怖を感じる、心底から。

青釭の剣をなくした。
おそらく、戦場のどさくさで仲間の誰かに盗まれたと思うのだが、そんな自分たちのミスをあの曹操に言うわけにはいかない。

上手い言い訳を作らねば。
名のある将に強奪されたとするしかないだろう。
才能ある人を愛する曹操のことだ、悔しいどころから美談として扱ってくれる。

劉備軍の名のある将って、人が限られるじゃないか。
さすが関羽だと、関羽好きの曹操が違った方向に反応してしまい、ウソがばれる。

張飛か?
あいつだと爽やかさがなくて、曹操は何故か怒って我々を責めるかもしれない。

新しく出てきた趙雲という男にしよう。
困り果てていた夏侯淵と夏侯惇は、そういうストーリーを創り上げることにした。

一族の夏侯恩という架空の人物をでっちあげる。
夏侯恩に預けていた青釭の剣を、劉備軍の趙雲という無名の部将が奪った。
知られていなかったが、趙雲という名将が劉備軍に潜んでいた。

その話を曹操は、世間は信じた。
趙雲という伝説を創り、事なきを得た夏侯淵と夏侯惇がどれだけ喜んだことか。

 

青釭の剣と趙雲

 

青釭の剣、倚天の剣。

伝説の名剣だが、僕には1つの疑問がある。

宝の双剣を、あの曹操が持っていたのは納得。

でも、もう1つを持っていたのは誰?

あの曹操と、双剣を二分する大した男がいたの?

夏侯恩。
三国志でほとんど無名であり、ただ青釭の剣を奪われるだけのキャラ設定。
小さな男のはずがないじゃないか、敵将が趙雲とはいえ、易々と討ち取られるはずがないじゃないか。
だって、あの青釭の剣の所持を許されるの才覚を曹操に認められた誰かだよ。

そう考えていくと、その男は夏侯覇でないかと思えてきた。 

 

誰が青釭の剣を持つのに相応しいか?
夏侯氏の若手、 それも実力を見込まれた男こそ、その役を当てられるはず。

これは仮説だが、その将の従者が、青釭の剣を持っていたはず。
だって当時の戦いで名のある将は騎乗していたはずし、馬ならば槍を持っていたはず。

夏侯覇が何か目を離した偶然の時間に奪われたのが青釭の剣ではないか?
趙雲の息子がそう語っていたよ、そのぐらい混乱の最中だったのだ、あの長坂の戦いは。

 

青釭の剣と趙雲

 

倚天の剣が言うよ、「俺からすると、使われてうらやましい」と。

斬りたいのだ、倚天という剣は守るためにあるものではない。

誰かをきらびやかに飾るより、実用的な剣でありたい。

そういう意味では、君主の腰に落ち着くのではなく、武人と共に先陣にいたい。

名より実。
抜かれることもなく、ずっと腰に付いているだけの宝剣なんて我慢ができないんだ。

一方で、曹操という英雄はこう言い張る。

「でもね、倚天の剣。俺みたいな英雄は他にはいないよ?
俺から離れたら、一介の凡人に持たれるかもしれないけど、それでいいの?」

難しい選択だな。

英雄の腰飾りか、凡人の実践的な武器か。

光栄を優先する?

いいや、違うな。

俺は常に戦の現場にありたい。

一長一短なのだろうが、ないものねだりでも、青釭の剣みたいになりたい。

そう言って倚天の剣は戦場で振るわれる武具としての道を選ぶのだろう。

 







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