南禅寺の塔頭のひとつ・天授庵、そこは紅葉撮影スポットだ、ハイセンスな。
日本の美を探しているのなら、和風のアートに触れたいのなら迷わずに南禅寺天授庵を推す。
入り口からすぐに迎えてくれるこの書院の遠景で心を掴まれる、平常心ではいられない。
あの畳の上から庭園を眺めてみたい、禁断の願望だろうか。
方丈前園は小堀遠州の作品だとか、井伊家菩提寺・龍潭寺と似た美を感じたのも納得。
1339年に創建された天授庵、戦国時代に衰退していたのを復興させたのが細川幽斎(藤孝)だとか。
そう聞くとこの南禅寺天授庵が一層美しく思えてきた、
だってあの教養人・細川幽斎の意思が入っているのだから。
新しく創ったのではなく、元々あった南禅寺天授庵が衰退していたのを
見かねて手を差し伸べたのが、細川幽斎。
書院の南庭、紅葉している池泉回遊式庭園を歩いたのは贅沢な時間だった。
C-PLフィルタで水面反射を除去しつつ、なんとか写真撮影をこなす。
細川家を拡大させた偉業だけではなく、こうした文化活動まで手を伸ばしていたのね、細川藤孝公。
生臭い戦国武将でありながら、こうした庭園の美しさを追求する、
相反しているようで何か合理的なものがあったのだろう。
南禅寺天授庵と出逢えた喜び、細川幽斎の一端に触れられた幸せよ。
2013年撮影
禅寺の中で最も格式の高いお寺が、ここ南禅寺。
桜の名所であり、紅葉の名所でもあるのが南禅寺。
黄昏時の光景も美しく、本堂から三門方面に向かって、一枚の絵みたい。
派手さはなくても、魅力があるから多くの観光客が季節を問わず訪れる。
琵琶湖疎水を今も運ぶ水路閣、インクラインのお隣さん。
お寺とは無関係だが、今では京都の定番風景、南禅寺の一部になったような水路閣。
山とお寺の合間に挟まれていた桜の木、誰に見られるわけでもないのに、輝いていた。
水路閣で遊ぶ姫君たち、現代らしい風景を盗み撮り。
東山の主役の一人・南禅寺、桜も紅葉も水路閣も。
廃線が観光場所になっている、京都の景色にすっかり溶け込んだインクライン。
琵琶湖からつながる疎水がすぐ隣に流れているのに、インクラインの方が主役だ。
鉄路の上を歩く不思議体験、両脇には桜並木。
京都市内で水が使われ、水力発電、水運もあった琵琶湖疎水。
役目を果たした後、観賞用に価値も見いだされるのは悪くない第二の人生ね。
並走するインクラインと琵琶湖疎水、どうしてもインクラインの方が目立つ。
線路の上は歩きにくいのに、みんなに愛されて。
蹴上のインクライン、また別味の京都の桜名所。