2022年11月にオープンした堺の美原ららぽーと
大阪の南商圏をごっそり取り込もうとする計画だろう。
大阪市ばかりが注目されるが、政令指定都市(人口80万人以上必須)である大阪府堺市は、
それ単体でも1つのイオンモールなりコストコがオープンできるほどの人口規模。
ところが、数字を拾ってみると、堺美原ららぽーとは思ったよりも控え目な数ばかりになる。
人口数 | ||
大阪府 | 882万人 | 人口全国第3の都道府県 |
大阪市 | 269万人 | 大阪第1の都市人口 |
堺市 | 82万人 | 大阪第2の都市人口 |
堺市美原区 | 3.7万人 | 堺美原ららぽーと予定地 |
あれ?3.7万人しかいない土地にららぽーとを建設するの?
37万人の間違いではないし、堺美原区って堺市の中心部でもない。
・大阪城 → 堺市美原ららぽーと予定地まで、23kmほど
・堺駅 → 堺市美原ららぽーと予定地まで、11kmほど
大都市・堺市の東端ギリギリにオープン予定されている、堺市美原ららぽーと。
そんな場所だからこそ、最新モデルららぽーと(店舗数200、駐車場3,200台)を建設できるのだろう。
阪和自動車道・美原南ICそばという好立地に誘致したのだから、大阪南商圏の地元住民はもちろん、
東西南北さらには奈良・和歌山からも買い物客を期待することができる。
何しろ後手として、真打として登場する堺ららぽーとなのだ、その期待値は高い。
ただ単に大阪マーケットで元が取れるからと言ってオープンするEasyな役割でもないだろう。
何か新しい価値と、イオンモールやコストコを凌駕する魅力を模索するものを背負わされているはず。
これまでのららぽーとは、北をEXPOCITY/甲子園で、南を和泉で囲っていた。
認知度が上がり、ノウハウもたまった今、その中間の大阪市〜堺市に真打ちを投入させようというのが、
2022年11月のららぽーと堺美原・門真オープン計画。
最難敵のイオンモール連合軍へ、本格的な攻勢をかけようとしている三井不動産。
堺市内には2つのイオンモールが既存している。
「イオンモール堺鉄砲町」も「イオンモール堺北花田」も堺北部の一等地にある。
大阪のベッドタウンとしての堺市の日々のニーズに応える、手堅い布陣。
対してららぽーと堺美原は、やや郊外に構えた週末向けリゾートなのかな。
・堺市美原区は、河内鋳物師(かわちいもじ)という鋳造技術が発達した場所 |
・奈良の大仏修理や、織田信長の時代に鉄砲の一大産地として活躍 |
・美原区にいた職人たちが、堺市中心部に引っ越して、堺職人と呼ばれた |
だから「イオンモール堺鉄砲町」の名称が気に入らない。
「ららぽーと美原鉄砲鍛冶」なら分かるが、あの鉄砲町は美原区から移転した美原人たちが築いたものなのだから・・・と
商業施設には無関係なことを言いたくもなる。
堺職人・堺商人、今井宗久やら鉄砲鍛冶やら、もうごっちゃまぜになってしまう記事になった。
大阪商圏という莫大な経済帯を、南北遠くから、堺・門真という間近へ迫ってきた
三井不動産・ららぽーとのビジネス戦略を、興味津々で見続けたいと思っているよ。
たとえコロナウイルスの影響があっても、その狙いと商業的見込みは確かなものだから。
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