どうせ難しいことはない、気を張る必要はない、と分かっていても、
島国で生まれ育った私には、アメリカからカナダへ陸路入国(車運転)する、ということだけで
かなりの冒険気分になっていた、ネットで体験談を検索しまくって情報集めに余念がなかった。
そんな自分の経験を、こうしてブログに残しておこう、これから同じことをされる方のために。
ナイアガラの滝へ車で観光旅行、ニューヨーク州バッファロー市内からピース橋を越えてカナダ入国。
Google Mapを信じて、誘導されるがままに進んでいくと、まずは右手に免税店が現れる。
ただし、カナダ入国の心構えに必死でDUTY FREEの看板へ向かう余裕などこれっぽっちもない。
普通に大河を橋で越える気配だ、あの橋を超えたらラスボスが現れるのではないかと唾をのむ想い。
橋の真ん中にはカナダ・アメリカの国旗が、そこからカナダ側の道はクイーンエリザベスウェイという名前。
来た。
高速料金所のように見えて、そうではない、あれこそがカナダ入国審査だ。見かけはラフなのに、心は緊張。
これがドライブスルー入国審査だ!
前の車がブースから去ったら、ゆっくり目にブース横まで進み、以下の手順をした。
①運転席の窓を開けて、全員分のパスポートを手渡す。
「合計何人?後ろの席の窓を下ろして」と言われて、慌てて後ろのウィンドウを下げる。
ウチの子と目を合わすと、入国審査官はにっこり笑ってSay Hello、そうそう、子連れ家族におおよそ悪者はいない。
②「カナダは初めて?」 → はい、と答えたものの、オレ20年前にカナダ来てる。いや、1年前に出張したばかり。
「どこに住んでいますか?」 → ケンタッキー州です
「アメリカのビザ持っていますか?」 → はい、就労ビザ持っています
「どこ行きますか?」 → ナイアガラの滝とトロントに観光で3日間です
「タバコとアルコール持っていますか?」 → いいえ
③質問が終わると、パスポートのデータをパソコンでカチャカチャ検索している。
パスポートを返却してくれて終わり。あとで調べるともちろんカナダ入国スタンプはない。
クリアだぁ~と喜んで先に進むと、すぐに第2の関門? いいえ、橋の通行料金徴収所だ、クレジットカードで支払い。
これを抜けると、マイル表示のアメリカから、キロメートル表示のカナダへ。
パスポートは見せたが、アメリカの免許証は提示していないし、国際免許も持っていない。
それから、カナダの電子渡航認証 eTA(簡易ビザみたいなもの) は、陸路入国では不要だ。
なんのことはない、陸路続きの両国を、パスポートチェックだけで通ったようなもの。
どうしてカナダ入国は簡単なの?と考えてみた。空路でのカナダ入国とはあまりに違う。
元々、厳しいアメリカ入国審査を経てアメリカに滞在している人だから、カナダから見たらセキュリティーチェック済み。
それをダブルチェックするのは無駄だよね。
理論的にはそう分かっていても、日本人にとっては車で国境を越えるなんて異色の行動!
観光地ナイアガラの滝だから簡単だったわけでもないだろう、それほどに近所の往来は自然なことだ。
どうぞこのページを見たあなたが心リラックスしてアメリカ・カナダ国境へドライブできますように。
そして、帰りのカナダ→アメリカの陸路入国もやはりシンプルなものでした。
アメリカからナイアガラの滝でカナダへ陸路入国して、トロントを遊んで、デトロイトからアメリカへ再入国する。
何が緊張するって、車での国境越えということ、日本育ちの僕にとっては常識外の入国方法。
だから、アメリカ入国はこちら、のサインを見ては心の中で怯えていた、それも仕方ない。
ナイアガラの滝の後、トロントからオンタリオ州を西へ横断して、ウィンザーからデトロイトへ入る。
多くの外国人、日本人が通ったアメリカ入国審査の道なのだろうが、初体験の僕には壁高いっ。
ウェブ上であれこれと検索して体験談を読んでいた、そんな僕だから、自分の記憶をここに残しておく。
あなたの役に立つように、あなたが緊張してアメリカ再入国できるように。
時刻は夕方5時という帰国ラッシュだったから、反対車線のアメリカ→カナダの入国審査待ちはかなりのもの。
ということは朝はこの逆なのだろう。カナダに住み、アメリカで働く方々。
アンバサダーブリッジの入国待ち車列を見て、恐怖感が増していく僕、いいえ、きっと再入国なんて簡単なはずなのに。
これも只の通行料金支払い窓口にしか見えないが、あれが僕をビビらせるアメリカ入国審査兼税関検査。
大人しく前の車が終わるのを待つ、サングラスを外して、パスポートを手に、行儀のよい僕だ。
僕の直前で夕方5時ぴったりなったから、ボックスの入国審査官が入れ替わる、夜勤開始の1番目か。
OPENの下の信号が緑に変わると、ゆっくりブースまで前に出てパスポートを手渡しながら「再入国(Re-Entry)」と言う僕。
「どこに行っていたの?」 → ナイアガラの滝とトロントに観光です
「どこに住んでいるの?」 → ケンタッキー州です
「植物持っているかい?」 → ありません (僕の前の車はプランターを没収されていた。この質問か!)
真面目に答える僕をみて、悪人じゃないねーと感じてくれたのか、すんなり通してくれた入国審査官。
それはアメリカ就労ビザ持っているし、子連れなのだから何もやましい点がないどころか、微笑ましい家族なのだが。
入国審査を過ぎると、すぐ次には橋の通行料金徴収のブースがあって、クレジットカードでお支払い。
そして、↑の写真のようにミシガン州デトロイトがウェルカムしてくれた。
パスポートを見せるだけのアメリカ陸路での再入国でした、簡単だったが、心理的ハードルは日本人には高い。
車でカナダ入国をして、同じく車でアメリカ再入国をした自分が、なんだかちょっと頼もしく思えた。