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アメリカビザ 偽装結婚の疑い、夫婦関係があることの証明

投稿日:2010年1月28日 更新日:




「ケン、これは昔のことだよ、今現在の話じゃない」

 

溜池山王駅の改札を出てアメリカ大使館へと向かう長い地下道、隣で歩くフレディが思い出したように話しかけてきた。

 

「大阪に住む知り合いの弁護士から電話が入ってね。家族のL2申請で、

 

ちょっと変わったことが求められたケースがあったんだ」

 

「ほう。変わったこと?」

 

「そう。よくあると思うが、夫が渡米した後に入籍した妻だけがL2を申請するパターンだよ。

 

ケンはいつも何か婚姻関係を証明する書類をつけているかい?」

 

「結婚したばかりの夫婦の場合もそうだけど、戸籍謄本を僕が英訳してサインしているな。

 

それは毎回やっているよ」

「ケン、それが正解だ。まさかパスポートの名前を直しただけでもう家族関係が証明できたと思い込んではいないだろう。

 

ところがね、それ以上のものを要求されたケースを聞いたんだ。

 

それはね、入籍してから一夜でもひとつ屋根の下で共に過ごした事実関係が

あるかどうかの確認を求められたという」

 

「フレディ、そいつは聞いたことがないな。ひとつ屋根の下での一夜?

 

なんだかどこかエロティックな感じもする言葉でたまらないね」

 

「ははは!本当だよ、ケン。なんだから事件の匂いがプンプンする言葉だな!

 

これがな、どうやら偽装結婚ではないことを証明するための方法らしい。

 

ひとつ屋根の下での一夜、イコール、夫婦関係がある、と」

 

「なるほど。でもそれは証明が難しいな。すでにアメリカに駐在している夫は

 

入籍後に一晩でも新妻を夜を明かさないといけないってことか。

 

それは誰でも喜んで受け入れられる話だろうけどな」

 

「ケン、もっとすごいのはこうだ。もしも一晩でも共に過ごしたことがない夫婦の場合は

 

最初からL2はおりずにB2が発給され、米国で夫婦としての生活の実態を作った後に

 

I-94をL2ステータスに切り替え、その後米国外でL2を申請して再入国する、

 

という説明があったらしいんだ」

 

「おぉ、なんだかえらい話になってきたね、フレディ。

 

それはなんていうか、ルールに忠実すぎる運用だと思うけど、まぁ理屈としては分かる気がするよ」

 

そんな面白いネタで盛り上がっていたら、13番出口が見てきた。

 

あそこから上がるとアメリカ大使館はもうすぐだ。

 

「偽装結婚とは日本ではあまり聞かないフレーズだし、

 

ましてや我々のように大企業のビジネスマンを相手にビザの話をしていると、なんだか宙に浮いたような奇妙な話だろう?

 

でもねケン、世界中ではそういうケースもあるということなんだよ。

 

立場を変え、視点を変えて見てみるときっと他にもそんな話が転がっているかもしれないね。

また面白い話があったらお聞かせするよ」

 

地下鉄駅から地上にあがって、角を曲がるとあのアメリカ大使館が見えてきた。

 

あそここそモンスターボックス、色々な文化も問題も、何もかも呑み込んだ大きな存在だ。

 

 







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