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アメリカH1Bビザ 年間発給上限数は廃止? むしろ減る方向性で

投稿日:2010年1月28日 更新日:




「ビザの世界は本当にややこしい。

僕らのような実務的な話なんて小さいもので、大局を見れば政治的なもの、

経済的なもの、そういうものが根底に流れている」

ケンとマックスウェル弁護士が話している内容はいつも難しい。

楽しいランチタイムに話すことじゃないのに?とも思うけど

きっと二人にとってはこの上なく楽しい話題なのかな。

他の男の人たちがスポーツの話をするように、

女の人たちが昨夜のテレビの話をするように二人は楽しんでいるのかな。

「ケン、聞いたかい?マイクロソフトのビルゲイツ会長が連邦議会で

発言した内容のひとつにH1B発給数上限を廃止して欲しい、ということがあったようなんだ」

「それは聞いてなかったね!なんか凄く説得力のある話じゃないか」

顔を高揚させてケンが口を開く。

「そうなんだな。

我がアメリカは移民の国だから外国からの優秀な人材を獲得することは

最重要項目のひとつだと思う。

まぁ、これは日本も同じだと思うけどね」

「2006年のH1Bビザ発給は65,000でこれは毎年4月に

スタートした途端にすぐにいっぱいになってしまうね。

アメリカで働き、暮らし、そして税金を払いたいという外国人はいくら優秀であっても、

一年もの時間を待たないといけないんだ」

「あぁ、アメリカの大学で修士号を取った人や、すでにH1Bを持っている人の延長申請は

その枠外というルールはあるにしても、実際その枠は狭すぎると思うよ」

「だろう?それはねぇ、国内失業率のことや国際競争力だとか政治的・経済的、

それに軍事的な大局はあるにしても、やはりひずみが出ていたんだな。

それもビルゲイツ氏のような発言力のある方が言うのだから余程のことなんだよ」

「ビザの世界は知ったつもりだったけど、

我々の知らないところでアメリカビザの問題があったっていうことか」

「そうだよな、安全で優秀な外国人はいくらでも歓迎するべきなんだ。

それを政府が一律のルールで発給上限数を決めてしまうのは

政治的な側面からはよしとしても、経済の停滞を引き起こしかねない。

H1Bを発給されるような人物であれば

何万人アメリカに来ようがアメリカの国益を損ねないんだ」

アメリカ大使館近くの虎ノ門の焼鳥屋さん。

頼んだ焼鳥丼が出てくる間に、そんな濃いことを話して二人は

わたしのことをすっかり忘れてしまっているみたい。

ダメね、二人とも。

実務面から、学者面からばっかりビザを見ているから

彼らにだって気づかないことだってあるでしょ。

ビルゲイツ氏の言葉になんだかショックを受けているみたいだ。

「そうよ!」自分の知らない角度っていくらでもあるものでしょ!」

たまには二人に小言を言おうとわたしが口を挟む。

「そのH1Bビザのこともそう。

例えばね、H1BとかH3とか暗号みたいな言葉ばっかり使って

マニアな世界で遊んでいないでもっとシンプルな言い方、一時就労ビザとか

追加ビザ申請書とかもっと普通の名称にしたほうがいいと思うけどね!」

そう言うわたしの横で店の人が

「Cランチお待たせしました!」

と元気よく言うので、つい、わたし

「は~い、焼鳥丼と鶏ガラスープのセットですね!」

とコード化せずに言い直したらケンとマックスウェル弁護士が

難しそうな顔をして苦笑いを浮かべていた。







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