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アメリカビザ面接 待ち時間と所要時間 口コミ・体験談

投稿日:2010年1月28日 更新日:




「アメリカ大使館でのビザ面接、今無事終わりましたので

これからそちらに領収書をお持ちしてもいいですか?」

もちろん断る理由なんてないですよ。面接の様子も聞きたかったし。

「はい、いつでもお待ちしています」

そう告げて電話を切る。

このお客さんは偶然ケンがいない時ばかり電話をかけてきたから、

わたしが担当みたくなって案内していた。今面接が終わって、

その足でLビザの追加代金500ドルの領収書を持ってきてくれるとのことだった。

しばらくしてそのお客さんはカウンターに姿を見せた。レシートを受け取り、

「面接はいかがでしたか?」と聞くとそのお客さんは笑いながらこう言った。

「いや、事前にtokoさんに聞いていたとおり、あっという間でしたよ。

質問は名前と会社名と何年勤めているのか、っていうことだけでしたね。

あとは指紋をスキャンして終わり」

「やっぱりそうですか。どのぐらいお待ちになりましたか?」

「トータルで1時間ぐらいでしたね。

まぁ朝早かったので列ができていることもなかったからですかね。

正直、がっかりでしたよ。もっと面接らしい面接を期待していたんですけど・・・」

笑いながら話してくれるからまだいいものの、

やはりそれが誰もが思う感想なんだな、って思った。

「そうですよね。みなさんそうおっしゃいますから」

「言いたいのはただ一言、時間がもったいない、っていうことですよ。

別にtokoさんに言っているわけではないですけど、

やっぱりこういう内容の面接をするぐらいなら、面接のための移動時間とか

拘束時間のほうがよっぽど問題で、内容のある面接ならまぁ納得もできるけど、

名前を聞かれるぐらいだけじゃ腑に落ちないっていうか

時間の神様に怒られてしまう、っていう感じですかね。

面接に使ったこの半日があれば結構な仕事がこなせてますから。

いえ、これはただの愚痴ですから聞き流してください」

アメリカビザ写真7.jpg

「えぇ、半日仕事ですもんね、ビザ面接だけで」

「ある意味、いよいよ外国で住むんだな、っていうことをわたしは実感しましたよ。

日本だけにいたら分からないですけど、

大使館の中はもう完全なアメリカでしたからね。

なんて言うんでしょう、異国人同士が理解し合うのには

こんなにも時間と工数がかかるんだな、

って思いました。だから結局は面接も仕方ないことかもしれませんね」

この方は部長さんで、きっとお子さんの学校の都合があって家族を残して

単身赴任される方だったのを思い出した。

わたしみたいな子供とは違うのかな、大人の理解がある方だと思った。

「異国人同士の理解、そうかもしれません。

日本の役所で何か書類の手続きをする感覚で

ビザ面接を考えていたら、やはり違いますよね。

外国人同士の相互理解のためですから、

こんな一見無駄な工数もかかっても仕方ないかもしれません」

「そうですね。でも、ひょっとすると100年、いや50年後の人たちからすれば

全員の本人面接なんて冗談みたいで笑われてしまうかもしれませんよ。

いや、僕が世界を甘く見すぎているのかな?

それともこの程度の時間を取れないぐらい

会社の仕事ばっかりしている日本人が

働きすぎってことかな?あははは」

そう言ってお客さんは帰っていった。そのことを後でケンに話すと、

彼はにっこりと笑ってこう話してくれた。

「それは誰もが思う率直な感想だね。

たまにテレビでやっている昔の不思議な習慣とかがあるよね、

ああいうのも今からじゃまったく想像できないけど、

当時は当時でやっぱり必死だったんだよ。

今僕たちが抱えているビザの問題も、そのお客さんのおっしゃる通り、

時代が変われば笑い飛ばされてしまうことなのかもしれない」

「ホント!こんなの未来ではナンセンスになってるかもね。

いいえ、ナンセンスになっていて欲しい」

「toko、僕のいつも言う言葉を覚えているね?」

にやりと笑ってケンがそう振ってきた。もちろんよ、あれでしょ、あれ。

「願うのは世界平和とビザの簡素化、でしょ。分かってますって」

「そうだよ、この仕事をしているとそのことが本当に大切だって分かってくる。

すぐにとはいかないけど、世界がその方向を向くことを願っているよ」

穏やかな顔つきでケンがそう言う。ビザの世界の差別や不平等が

身に染みて分かっているケンだからこそ、その痛みがはっきりと感じられるのだろうか。

それからも、このお客さんの言葉やケンのことを思い出すと

世界平和を祈る気持ちに深みが出てきたと自分でも思った。

こんな気持ちを世界中の人たちに分け与えられたら世界は変わるかな?

いいえそんな想像こそ、世界を甘く見ているわたしの妄想なのかもしれない。

貧困があり、宗教があり、人種や歴史の複雑な問題があり、

世界中の問題は容易に解決できないのだろう。

でもまずは自分のできる現実的なこと、偏見や差別をせずに

世の中を見れるように努力しよう、そうわたしは改めて思った。







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