2014年に札幌市民は歓喜したな、あのイケアが札幌でオープンというニュース。
そうだよね、いくらイケアの商圏最低人口が100-150万人と言われていても、
北海道の中核を担う札幌市の人口数はそんなものじゃない。
札幌市 | 人口195万人 |
北海道全体 | 人口528万人 |
イケアの故郷・スウェーデンとは緯度15度ぐらい違えど(札幌の方がずっと南)、
北国生活と言う意味では似ているし、イケアの家具は北海道民にはウケるのではないか。
気になるのは日本の家具屋大手・ニトリのこと。
ニトリは札幌市北区から似鳥さんが始業した、札幌を代表する企業の一つだ。
家具+ホームファッションを合わせたホームファニシング業態は、イケアと丸かぶり。
むしろ、成長期のニトリがイケアから学んだ部分があると聞く。
そんなニトリの本家本元に乗り込もうとするイケアに勝機はあるのか?と心配の声はあった。
大規模商業施設のオープンに数年単位の待ち時間はつきもの。
そう思って、イケアのオープンを悠長に待っていたが、それが何年経っても着工のニュースが入らなかった。
それは札幌市のみならず、同様にイケアのオープンが公表されていた広島・前橋・静岡でも同じで、
用地を確保済みの広島・前橋ですら建設工事は始まらない。
放置プレイもいい加減にして、と苛立った頃、2019年8月に、イケアは札幌への進出を正式に断念する発表をした。
えっ?(分かっちゃいたけど)イケア札幌はオープンしないことで決まり?
ずっと楽しみにしていたのに、それは悲しいお知らせね、イケアさん。
場所は札幌市内なんて言わないから、江別市でも石狩市でも、札幌郊外の安い環境でオープンさせてよ。
悲しみにくれる札幌イケアファンだったが、
計画中止にならざるを得なかった理由が寄せられると、まぁ納得と言うか、その通りって言う感じ。
- IKEAは2016/8まで黒字だったが、2017/8で約14億円の赤字、2018/9で約30億円の赤字、2019/8で約8億円の赤字、と深刻な業績不調
- 背景として、郊外に大型店舗を出すビジネスモデルが成り立たない(イオンモールやコストコみたいな郊外大型店舗では、家具店は儲からない)
- 今後は都市中心部に小型店舗をオープンさせ、アンテナショップとして集客(販売はオンラインや取り寄せ)するビジネスモデルに転換
- 東京の原宿に、通常店舗の面積1割のIKEAショールーム的なものを作ったが、今後はこのタイプが中心になる
- 札幌でいえば、特に地元でのニトリの強さが際立っていた
- IKEAの社風として広告宣伝費にあまりコストをかけないが、逆にマーケティング上手なニトリの集客力に及ばなかった
こうして、札幌イケアのオープン構想は夢幻に終わった。
時遅し、時期を逃した札幌イケアは、今後よっぽどオープンする可能性は無いだろう。
IKEAの配送センターを通じた通販はできるけど(送料は高いが)、
それで満足できるものではなし、いつか、何かの潮目が変わった時の再計画をひたすら待っている。
↑
IKEA札幌北海道の動画を、YouTubeにあげました!
自分で運び・作る、このイケアセオリーを長久手イケアでも踏襲できるか?
フルサービスに慣れている東海地方の人たちは、家具を自分で組み立てるという意識は薄い。
イケア商品の安さが配送・組立を自分で行うことが理由としても、当初は通用しないロジックになるだろう。
もちろん、日本の他店舗でも同じく自分組立(DIY=Do It Yourself)の理解度の低さで
痛い目にあっているだろうイケアだ、なんらかの代案を持って長久手イケアをオープンさせるとは思う。
自分で運ぶという点では自動車と高速道路網が発達した東海地方だから課題はない。
リニモ公園西駅に隣接してできる長久手イケア、逆に鉄道での来客は見込みよりも少ないはず。
すぐ近くにできる長久手イオンを合わせて車で回る人が多いのでは。
環境とか見栄えとか先進性を考えてのリニモ駅直結、実態はどう考えてもマイカーでの来店客ばかり。
だから長久手イケアで購入した商品を重くてかさばるから、店から自宅まで配送を頼む人は少なくないはず。
来るべき東海大地震の備えとして、耐震仕様の設置・組立は当社へお任せ!みたいな宣伝文句は強い。
「配送は自分で、組立は専門業者で」というのが長久手イケアのスタイルになると予想する。
ブーム到来、モテる男は週末に長久手イケアの家具を自分で設置・組立する!
そんな記事が東海のファッション雑誌を飾って、イケメンの条件・趣味にDIYがお目見えする。
まぁそんなはずはないよね~、欧米文化にはありそうな感じだけど、日本ではどうでしょう。
イケア家具芸人とか名乗って、先駆者が出れば面白そうだけど。
長久手イケアでは組立サービスが標準化され、当初は別料金のカタチで名札に明記。
次第に、基本料金に含めて記載したほうがスムーズと感じて、込み料金で表示。
自分で組み立てする稀でヒマな人向けに「組立を自分でしたら●%割引」という表記になる。
イケア本国での発送とはかけ離れた運用、そんなイメージを長久手イケアに思い浮かべている僕だよ。
イケア長久手は物流力にモノを言わせて圧倒的なサービスを示すのではないか。
名古屋・中部地方待望のイケア長久手、2008年にイケア弥富物流センターがオープンしてから実に7年越しの名古屋ストア出店。
伊勢湾岸自動車道を走っていると、名古屋港の近く、湾岸弥富インターチェンジ付近でイケアのロゴを見る。
「あっ、これってイケア名古屋かなぁ?」と淡い期待を抱く人も多いだろう。
広大な建物、イケアの店舗を連想するのは当然なのだが、それがイケア弥富物流センター。
日本の各店舗へは、世界各地から一旦このイケア弥富物流センターへ届き、各地へ配送される。
ということはだよ、イケアの物流拠点が名古屋にあるのだから、中部地方への出店は合理的なはず。
誰もがそう思っていたが、2008年頃にアリオ赤池の建設予定地にイケアやコストコが出店名乗りをあげてからリーマンショックの影響も強かったのか、時間ばかりが悪戯に流れていった。
2016年、ついにイケア長久手がオープン予定だよ!とニュースで知ったときの喜びはひとしお。
関東・関西に店舗を持つイケアにとって、ここ中部地方は物流の中間地点、名古屋港の物流力の恩恵。
今後、日本各地の政令指定都市に出店する計画があると聞くイケアだ、物流センターが核になる。
そのお膝元にある愛知県長久手市のイケア長久手、力が入らないワケがない。
期待してしまうのは、前代未聞のインターネットショッピングサービスの新規導入。
だって、物流センターが近所にあるんだもん、東海地方限定でもサービスが始まるかもしれない。
イケア非公認の購入代行業者が暗躍する現状を憂うなら、イケア長久手から着手してもおかしくはない。
イケア長久手には、普通に中部地方初出店を歓迎しつつ、一歩進んだサービスを期待したい。