コストコオープン基準

東西に走るアメリカのフリーウェイを眺めて、どこにコストコがあるかを見れば一目瞭然だよ」


コストコ名人を自称するケンは、そう語ってわたしにボールを投げた。
受け取ってしまったそのボールを早く手放そうと、まずはグーグルマップでコストコを検索する。
どこにしようか、そうだ、コストコ発祥の地・ワシントン州までにしよう。

 

こう見ると、地方大都市にひとつずつ配置されたアメリカのコストコ店舗
何もない大地が続いたと思ったら、特定の都市に人口が集中し、またちょっと郊外に出ると急に人が少なくなる。

それがアメリカのコストコのオープン基準なの?

 

 

(アメリカ・ワシントン州にあるコストコ位置図)

 


都市圏は砂漠の中のオアシス。
その都市圏にぴったりと張り付くのがコストコ、見事な場所取りと褒めたくなる。
合理的なのだ、ちゃんと一定のマーケティングがされているのがコストコだろう。

 

「さて、日本ではどうかな。そうだな、東京から名古屋までの東海道沿いはどう?」
意図的に場所を決めているようには思えないケンの声色。
それなら思い込みを排除して東海道沿いのコストコをチェックしてみようじゃない。

 

 

(日本・東海道にあるコストコ位置図)

 


そうだろうとはうすうす感じていたけど、アメリカのコストコ出店パターンは、日本のものとは異なっていた。
国土が狭い上に、居住できる平地割合の少ない日本では、街は連続している。
街・町・街・街・町・町 と続くのが日本だとすれば、
野・村・野・町・野・街 と続くのがアメリカ。


アメリカは街にコストコが出店しているが、日本には街ですらコストコが出店しているとは限らない。
街の格でも、コストコ岡崎市だって、コストコ守山区だって、コストコ鹿沼だって当確ではない。

日本のコストコのオープン基準が分からなくなってきた。


「それって何故だろう、ケン?」
疑問は詳しい人に聞くのが良いと思ったから、隣でコストコのディナーロールをおいしい、おいしい、

と言って食べているケンに質問してみた。


「日本では食料品が近所のスーパーで毎日手軽に買える。鮮度を重視する国民性じゃない?」
逆質問されて、わたしはちょっとカチンときた。
生活様式が異なるのは分かっている。


いちいち細かく、サービス過剰なのが日本の善し悪し
本当は毎日しなくてもいいよね、買い物だって。
あれも日本特有の過剰サービスのひとつだろうか。


家庭から主婦が求められる過剰サービスってことね。
無意識のうちに、家にもコンビニのようなサービスを求めている?

 

 

 


「きっついな、アメリカはコストコで、日本はコンビニか」
吹き出したケンの手には、「2019年コストコ守山区オープンか?」と書かれたニュースペーパーが。


私はこう言いたいよ、極端過ぎて笑われるとしても。
細やかなコンビニサービスの対極にあるのが、ラフなコストコサービス。
日本で流行っているものと、アメリカで流行っているもの。


皮肉たっぷりに言えば、アメリカで定着しえないものと、日本で永続しないだろうもの。
コンビニ全盛期の日本に、真っ向から反抗するかたちで乗り込んできたのがコストコ。

 


コストコの中に、コンビニをつくってみたらどうかな、ケン!」
ありったけの元気を込めて、躊躇をせずに一太刀目に全てをかけて斬り下げる。
どうにかして日米を融和させようと、わたしなりのアイディア。


「冗談のような考え方だね!でも、これからはそんなのも不自然じゃない」
そう言って笑ってくれたケン、オープンなコストコトークには楽しみがあるの

 



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