アメリカ スピード違反

アメリカのパトカーは、あなたのスピード違反を見つけると、
青色のパトランプを無音で点灯させ、ゆっくりとあなたの車の後ろに付き、そのまま静かに後ろから走行してくる。

 

「えっ、何?オレ?捕まったの?」とあなたは混乱する。
アメリカにしては地味なのだ、何事にも派手で騒がしい文化が定着している国で
この時のパトカーだけは、忍者のごとく、音を立てない追尾者になる。

 

禁止事項 そのまま走り続けると、逃亡と見なされ更なる大トラブルに発展

 

あなたが腹を決めて徐行し、右の路肩に停車すると、
パトカーはやはりあなたに用があったようで、後ろで距離を空けて停車した。


「あぁ・・・もうダメだ・・・」
やむなく両手でハンドルを9時15分の角度で握ると、天に運を任せる。

 

禁止事項

車外に出てはダメ

カバンやダッシュボードをゴソゴソしていると、

武器を取って警察官に害を及ぼそうと誤解され、真剣にヤバい

 

5分ぐらい時間がかかって、警察官がゆっくりを歩いてくる。
どうやらあなたのナンバープレートの番号を照会にかけて過去の履歴をチェックしていたので、時間がかかったようだ。
窓を開け、両手はハンドルのまま、ゆっくりとした動作で応答する。

 

 

アメリカスピード違反1.JPG

 

 

「ハロー、調子はどうですか?」
こちらの緊張をよそに、この時の警察官はまさかの日常会話で始めて来た。


のどかなウエストバージニア州だからかな?
もちろん、グッドと答えられる心理状態ではない、アイ・フィール・バッドだ。

 

「ここは上限55マイルだから、あなたはスピードオーバーだ。運転免許と保険の書類を見せてください」
警告だけでは済まないようだ。最も、悪いのは自分なのだが


「カバンとダッシュボードの中にあるので、取ります」
一声かけてから、両手をゆっくり伸ばす。

 

禁止事項 あまり早すぎる動作は警察官を驚かせるから止めたほうがいい

 

あなたが渡した書類を受け取ると、警察官は一度パトカーに戻り、書類記入を始める。
絶望的な気分で(アゲイン、悪いのは自分なのだが)ひたすら車内で待つあなた。


戻ってきた警察官は運転免許と保険書類を返し、黄色の長細い紙を渡しながら

「この番号に電話してくれ。今日じゃなくて数日後に電話してよ」と言って去るそぶりを見せる。

 

手書きのスピード違反チケットは、達筆・流暢過ぎてまったく読めない。
「すいません、私は何をすればいいのですか、オフィサー?」


あなたが少し丁寧に聞いてみると、警察官はそこからは自分の仕事じゃないよ、という雰囲気。

「電話してくれたら説明がある。もう行っていい。気をつけて運転してくれよ」


取り付くしまがない。スピード違反は事実だから、こちらの言い分も何もないし、

早く終わった上に面倒なトラブルに発展しなかったから、良しとしよう

 

あなたは左のウィンカーを出し、後続車に注意しながら本線に戻る。
助手席には警察官から渡された黄色いスピード違反チケットが転がっている。


「もう二度とこんなイヤな体験するものか・・・悪いのは自分だからスピードほどほどにしよう」

 

 

アメリカスピード違反3.jpg

 


スピード違反チケットに書かれた電話番号をインターネットで検索してみると、

ウエストバージニア州の地方裁判所のものと分かる。


あなたは数日後に電話して「スピード違反のチケットを受け取ったので電話しています」と伝える。
名前を伝えると、なんだか手元の書類をゴソゴソしている音。


「はい、○○の場所でのスピード違反ね。○○マイルオーバーだから、罰金180ドル」とのこと。
「どうやって支払えばよいですか?」
「クレジットカードか、マネーオーダーを送って」
「クレジットカードで支払います」
「今?番号言って」

 

あなたはまた慌ててしまう。
どこかに出頭する必要がないのは有り難いが、オンラインショッピングみたいに支払いできるの?
カード番号と有効期限を伝えると、先方はコンピューターをカチャカチャと叩いて「はい、完了」と告げる。

罰金支払い手続き終了だ。

 

電話を切ったあなたは何度目かの放心。
「これで終わりなの?簡単・便利?いいや、罰金に便利・不便とか意味が分からない・・・」


あなたが数日後にクレジットカードの引き落とし履歴をチェックすると、

確かに公の機関から180ドルの引き落としが完了している。

 

 

アメリカスピード違反2.JPG

 

 

州によって、地域によって、担当者によって、やり方は様々なのだろうが、

こんな一連の流れだったあなたのアメリカのスピード違反にまつわる、その場の処理と罰金支払い。


繰り返し、自分が悪いのであなたに逆ギレするつもりは毛頭ないのだろうが、これだけスムーズにいっても、

心へのプレッシャーは強く、もう二度と捕まるもんか(違反はするもんか)とあなたは感じていることだろう。


特にパトカーに後続された時、そのまま無視して走り続け、パトカーが強引に前に割り込んできたので車を停めることになり、

怒った警察官によって犯罪者扱いで後ろ手に手錠をはめられる、という恐怖体験も考えられる。


警察官の手が腰にある拳銃へ伸びないように、こちらは話し合いをする姿勢だと、誤解されない態度・行動が不可欠だ。

ニュースで見かける警察官の発砲事件に自分が遭遇しないように、誘発させないように。
せいぜい怖がっておきなさい、アメリカのスピード違反

 

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