アメリカ・カナダ間 入国審査特別ルール

わたしは今、デトロイトモーターショーの仕事でデトロイトに海外出張しているのだが、

東京で留守番をしてくれている旅子とはメールで仕事の連絡を取り合うことにしている。

 

夜、メトロ空港のウェスティンホテルの部屋に戻ってPCを空けると、

ほら、今日もやっぱりメールが入っているよ。

 

「ケン、お疲れ様。また分かんないのよ、

カナダへの出張者がさぁ、その人はシカゴからエアカナダでトロントに入ったんだけど、

アメリカの入国カードがまだパスポートに残っているって大騒ぎ。

もうどうしようもないよね?また2日後にシカゴにもう一度戻るんだけど、

その際に状況話してなんとかするしかないよね?これで正解?」

 

 

 

 

さぁ、どうしよう。

先にマクナマラターミナル内のレストランでディナーを取ろうかと思ったけど、やっぱり先に返信をしておくことにしようか。


「旅子、不在中のヘルプ本当にありがとう。

真冬のデトロイトは五大湖からの寒風で強烈に寒いけど、

今日はひどく風が強くて指の感覚がなくなっちゃうほどだったよ。

 

さて、アメリカ・カナダ間の特別ルールってやつがあってね、

アメリカからカナダに行ってまたすぐにアメリカに戻る人は、

最初にパスポートにステイプルされたI-94Wの入国カードはそのままでアメリカを出て、

またアメリカに入ってくるときはそのI-94Wがもう一度使えるんだ。

ちょっとカナダに行ってまた帰ってくるなら二度もアメリカの入国審査を通るのは大変だろう?

 

そこを簡単にさせようとしてこういう特別ルールがあるんだよ。

だからその方のパスポートにI-94Wが残っていて正解ってことになるね。

トロントからシカゴにフライトする時、トロント空港でのアメリカ入国審査でその入国カードをそのまま見せればいいんだ。

あと二日ばかりご迷惑をおかけしますが、不在中よろしくお願いします。ケン」


PCを閉じるとわたしは窓向こうのマクナマラターミナルから飛び立つ飛行機を眺めた。

 


デトロイトからカナダへ、そしてメキシコへ。

カナダだけじゃなくてこのアメリカ特別ルールはメキシコにも適用されている。

陸続きの隣国がないわたしたち日本人にはそうそう理解できないことかもしれないけど、

とても合理的で良いルールだとわたしは感じている。

 

と言っても入国カードルールも少々ややこしいところがあって、

便や空港、そして入国カードを回収している航空会社のスタッフによっては

入国カードをそのままにしたり、あるいは回収してしまう人もいる。

 

表向きにはまた帰ってくる人は回収されないのだが、相手の気分によっては回収されてしまうのだ。

そうしたらまた入国カードを書いてアメリカ入国すればいいだけのこと。

 

どちらでも良いよね。人生の唯一の答えなんか、求めるべくもないのだから。

表を案内すれば裏が来ることがある。裏と案内すれば表に戻るのもよくあること。

表裏いずれも情報提供してしまえば、あとはどうにでもなれ。

 

冬のデトロイト空港は積雪でフライトキャンセルになったり、フライトディレイが起こりがち。

航空会社職員の不意のストライキによるフライトの乱れだってあることじゃないか。

それは避けられることではないから、様々な情報を顧客に渡しつつ、

あとは問題が起きたときに十分フォローできる体制をとっておくのが我々旅行会社の仕事じゃないかな。

 

ノースウェスト航空機が多く離発着するこのデトロイトはメトロ空港でわたしはそんなことを考えていた。

 

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