竜安寺は何度か訪れているが、デジタル一眼レフD800でキレイに撮りたくて、また来てしまった。
春の太陽の下、石庭を前にして廊下に腰を降ろす。
写真を撮る前に、自分の心に焼き付けよう。
この石の並びにどんな意味があるのか、何度見ても分からない。
僕がどんなことを考えていたか、どんな角度でカメラを構えれば良いか、ということだけ。
小さなことでも、夢中になっている様は、きっと幸せな境地にいる証。
白砂という宇宙に漂う、円盤のような石。
動かず、でも確かに漂っている円盤だから、もう矛盾のサイクルに目が回る。
吾唯足知の言葉、知足のつくばい。
"吾唯足知"
わたしはただ、己が今、満ち足りていることを知っている
それ以上に何を望むべくもない
この意訳が、10年後・20年後の自分では、どんな意味に変化するのかな。
想像もできない未来を楽しみに思う。
大人になるにつれ、お寺の美しさがしみじみと心に入り込んでくる。
石庭やつくばいだけではなく、竜安寺の池沿いの景色や、階段の竜安寺垣までもが輝いて見える。
方丈庭園を去り、鏡容池を周遊して別の美しいものを探す。
桜の季節、竜安寺にもまた豊かに、美しい桜が。
わたしはただ、満ち足りていることを知る、竜安寺の旅でした。